ただ既存建物は、その洋館としてのつくり及びその保存は外観の化粧までで、内観は外部で施されているような装飾性は与えられておらず、柱梁のRCの構造がしっかりあらわれている状態でした。その強い内外のコントラストが本建物の特徴と捉え、その現代と近代の境目を内外の境界から少し内側にずらし、その境目をデザインしました。また、室内における近代は少しアレンジされ白いモールディング調の壁天井と古材を使った近代をモチーフとしたカウンターとし、現代は既存コンクリートにガラス、ステンレスを足しデザインしました。また室内が二層になっていることから、1階をタッチアンドゴーの短時間滞留型の場所として2階をそれに対してゆっくり時間を過ごしてもらう場所としてデザインしました。そしてその二層を貫通する吹き抜けも正面壁面側まで貫通させ、その正面にBLUE BOTTLEのサインを施し、エントランスを入ると正面に浮かび上がるように計画しました。さらに真ん中に巨大なサークル状のネオン管を浮遊させ背景に対してコントラストを生み出しています。1階は建築側はモールディングを施した壁天井にところどころにガラス、ステンレス、コンクリートとクールな素材を使用しシャープさを表現しました。特にエントランスは、古い作りのドアであるため、既存建具の中側にガラスの自動ドアを施し、入るときに外部から見た建物の印象をエントランスで裏切るよう計画しています。また入ったところはタッチアンドゴーと忙しいことから家具はハイテーブル、ハイスツールを中心とした新しい木製の家具を利用しクールな背景に対してあたたかみを出しています。それに対し、2階はゆったりしていただくために長居しやすいタイプの家具と洋館としての雰囲気を楽しんでいただくためアンティークの家具、照明を使用しました。ただし、カウンターは用途およびサイズなどが求めているものに合わないので、古材を使った新規造作家具で洋館にふさわしい家具をデザインし、そこにオリジナル性をだしました。














